日本大学ビジネスコンテスト
多言語対応のAIごみ分別アプリ EcoNavi を企画・開発し、日本大学ビジネスコンテストで最終選考まで進み、ファイナリストに選んでいただきました。 企画書の作成から始まり、創業計画書の練り込み、プレゼンのブラッシュアップ、そして本番の最終選考まで駆け抜けた半年間の記録です。
Start & Proposal YouTubeの1本の動画から生まれた企画書
日本に住む外国人の方が、日本のごみ分別の細かさに驚き、最初はとても苦労したと語っている動画を見たのがすべての始まりでした。 ルールが複雑で理解できずに戸惑ったり、正しく出せずに周囲から注意を受けたり。 言葉の壁によって、毎日の生活の基礎が大きなストレスになっているという現実がありました。
調べてみると、日本には約340万人の外国人が住んでおり、ごみの分別ルールは全国1700以上の自治体でそれぞれ異なり、しかも頻繁に更新されます。 紙のガイドブックや人手で伝えるには物理的に限界があります。そこで、「写真を撮るだけで、いま、その場所の自治体ルールに沿った捨て方が母国語で瞬時に分かる」という 多言語AIごみ分別アプリ『EcoNavi(エコナビ)』の企画書を作成し、一次審査に応募しました。
- AI認識ごみ本体の撮影に加え、バーコードから「本体はプラ、キャップはアルミ」といった複合素材の分別にも対応
- 多言語英語・中国語・韓国語などに対応し、ごみ分別の情報格差そのものを解消
- 収集日連動GPSと連動し、地域ごとの収集カレンダーとリマインダーで出し忘れを防止
- 習慣化実績バッジやエコポイントの獲得により、ゲーム感覚で分別を楽しく習慣化
(最初のターゲット)
自治体の数
安心・言葉の壁解消・習慣化
Business Plan 「便利」から「事業」へ踏み込む創業計画書
一次審査を通過した後の二次審査では、単なるアイデアや機能にとどまらず、実現可能性と持続可能性を問われる『EcoNavi 創業計画書』とエントリーシートを作成しました。
審査で必ず向き合う必要があったのは、「AIが間違えたときの責任問題」と「なぜGoogleレンズなどの既存ツールでは駄目なのか」という問いでした。 EcoNaviではAIを正解を押し付ける装置ではなく、「判断のサポーター」と位置づけ、画面には常に自治体の公式情報へのリンクを提示し、ユーザーからの修正報告でデータを更新する参加型モデルを設計しました。 また、Googleレンズが「モノ」を特定するだけなのに対し、EcoNaviは位置情報と地域ルールを掛け合わせて「いま、ここでどう捨てるか」という具体的な行動指示を返す点に独自の価値を置きました。
月額370円をいただくモデル
不動産管理会社や自治体からいただくモデル
当初考えていた「個人への月額課金」は、ごみを捨てる行為に個人がお金を払うハードルの高さから見直し、入居者指導に悩む不動産管理会社や外国人支援に取り組む自治体向けのモデルへと舵を切る足がかりを作りました。
Brush Up スライド作成と、審査員からの熱いフィードバック
本選進出に向けて、プレゼンテーション資料の徹底的なブラッシュアップを行いました。 仲間3人で参加し、お互いに想定される質問と回答を出し合って台本を削り、発表で大切なポイントを共有しながら資料を作り込みました。
ブラッシュアップ審査では、審査員の方々から非常に具体的で熱量のこもったフィードバックをいただきました。 褒めていただいた強みと、突きつけられた本質的な課題の双方が、その後の大きな指針となりました。
「スマホを使ったゴミの分別という発想はありそうでなかったですね。対象者は在日外国人だけでなく、サービスが広まれば全世代・全国民、高齢者、障害を持った方たちにも有効だと思います。仕組みは完成度が高いですので、実証させてみるともっとフィージブルになるはずです。」
「当事者の目線から課題を捉え、『不安→安心』へ導く明確なビジョンが軸となり、300万人強の在日外国人という社会課題性もよく伝わります。収集日通知・多言語・カメラの連携で“即時性”を実現する導線は明確な差別化であり、ポイント/バッジで継続性に踏み込む発想も素晴らしいです。個人開発でここまで形にしている実行力も強みです。一方で、自治体ルールの収集・更新、誤判定時の責任・免責、個人情報の取り扱いなど課題も多く、自治体や不動産会社などとの連携が大切です。プレゼン資料は非常に分かりやすかったですが、発表時の言葉の途切れで聞き取りづらい部分があった点は惜しかったです。」
「『AIで社会をやさしくする』ことを体現しています。ただし、社会課題の“深さ”に比べて、ビジネスモデルの“具体性”はさらにブラッシュアップする必要があります。まずは『外国人×特定地域』など狭い範囲で実ニーズを重ね、課金モデルと継続性の実データを取ってみてください。これからは“個人開発者”から“チームを率いる起業家”への脱皮が鍵です。同じ志を持つ仲間や協力者を巻き込み、EcoNaviを社会インフラとして育ててください!」
Final Pitch & Reflection 最終選考の舞台と、痛感した2つの反省点
迎えた最終選考。経営者や投資家の方々が審査席に並ぶ大舞台で、5分間のピッチに登壇しました。
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ユーザーの使いやすさなどに力を入れすぎていたため、ビジネスプランをしっかりと考えられていなかったこと
アプリの直感的なUIやデザイン、使い心地、やさしさといったプロダクト面のこだわりばかりに夢中になってしまい、持続可能な収益モデルやマネタイズの具体性、事業としての計画設計を深く詰め切ることができていませんでした。 -
5分でまとめないといけなかったので、伝えたい部分をかなり省いてしまい、魅力を十分に伝えきれなかったこと
限られた5分という発表時間枠に収めようとするあまり、大事な背景や熱量、EcoNaviが持つ可能性の細部を削りすぎてしまい、本当に伝えたかったプロダクトの芯の魅力を届けきることができませんでした。
発表を終えて、悔しさが真っ先に来ました。自分に足りない部分がこれ以上ないくらいはっきり見えたからです。 それでも、一緒に走った仲間や、本気でアドバイスをくれた審査員の経営者の方々に出会えたのは、この半年で一番の収穫でした。
この半年の挑戦と反省が、「誰かの困りごとを解決するプロダクトを、最後まで作り切って届ける」という個人開発の原点になっています。 ここで痛感したことを持って、いまは TaviNote を自分で開発・リリースし、日々アップデートを続けています。